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2013/05/01
小説の感想(すべてがFになる/森博嗣)

すべてがFになる/森博嗣

※ネタバレ注意

読むきっかけ

森博嗣さんはとても有名で知っていたのですが、有名すぎてなぜか今まで読まずにいました。
でもやっぱり面白いという話を聞いたので読んでみました。
すべてがFになるという本を知っていたのでまずはこれから。
プログラマならタイトルで16進数が関係してるなとわかって楽しみなはず。

読了直後の感想

おもしろい。
会話のアプローチが今まで経験してきたものと趣が違っていて楽しい。
自分の価値観がグッっと広げられるような感覚が気持ちいい。
そして真賀田博士をもっと読んでいたい。

全体を通した感想

序盤

序盤の会話のやりとりは印象的だったが、その後はやや退屈。
この作品は当初五部作の四部作目として構想されていたという話を聞いてその点については納得。
序盤のクライマックスと言えるウェディングドレスが出てくる場面のインパクトが大きくて読むのを止められなくなる。

中盤

中盤は正直やや退屈な印象。
特にキャンプに戻ってまた研究所に戻る動機付けがしっくりこない。

終盤

犀川と真賀田博士がいい。
これは萌絵がいいリズムを作ってると思う。

細かい考察

道流について

道流は天才ではないということだった。
ではなぜあそこまで真賀田博士に従順だったのか。
真賀田博士は3年も前から計画しており、天才ではないのなら助けを求めるものだと思うのだが求めなかった。
真賀田博士はどのような教育を行ったのか。
愛情によるものだったのか恐怖によるものだったのか。
子育てというのは簡単なものではないはずである。
つまり愛情による教育によって道流は真賀田博士に従順だったと信じたい。
しかしそうだとすると事実はより悲しいものとなる。
道流は自らの運命を知っていて、それを受け入れることができていたのだろうか。

真賀田博士の出産について

真賀田博士は生命をバグと断言しているのになぜ子供を生んだのか。
なぜ親に喜んで報告したのか。
なぜ堕胎しなかったのか。
親を殺した時に自分も子供に殺してもらおうと考えたのだろうか。

真賀田博士の多重人格について

これは意図的に演じているものだと思う。
きっとそれが自己防衛手段だったんだろう。

所長について

ヘリコプターで殺された時に真賀田博士をかばったのは、最初から死ぬ気だったからじゃないだろうか。
少なくとも殺されることは考えていたはず。
それが真賀田博士の計画だったにしろ、そうじゃないにしろ。
そうじゃないとあんな演技できない。
とりあえずこの所長は胸クソ悪くなる。
幼い真賀田博士に様々な行為をし、価値観を植え付けたはずである。

真賀田博士と萌絵の面会について

なぜ真賀田博士は萌絵に会おうと思ったのか。
結果的に萌絵のせいで真賀田博士が想定していた最悪の事態となるわけだが。
それはシリーズ物ということなので今後わかることなのだろうか。

red magicについて

なんでIntegerをインクリメントしてたんだろう。
そして関連箇所すべてにif文を書くのはスマートじゃないようにおもえる。
これはやっぱり真賀田博士からのメッセージなのだろうか。
カウントダウンならデクリメントだし、だんだん完璧に近づくという意味だろうか。

まとめ

心理描写はあえてやや少なめにしてあるのだろうか。
各登場人物の発言が興味深くて非常におもしろい。
このシリーズは今後も読んでいく。

カテゴリ:感想

“小説の感想(すべてがFになる/森博嗣)” への2件のフィードバック

  1. ばいなりい より:

    通常のアセンブラー記述ならデクリメントのはず。私もこの点がひっかかっておりました。結局「すべてがFになる」というタイトルを先に思いつき、ストーリーはそれに合わせてインクリメントにせざるを得なかったのでしょうね。デクリメントだと0-1=FFFFの説明が必要だし、ブール代数を引用すると編集部の「すべてが?になる」から仕方なかったのかもしれません。

  2. 管理者 より:

    「すべてがFになる」というタイトルを先に思いついた、というのはありそうですね。
    このS&Mシリーズを全部読んだ今なら、真賀田博士は誰かにこれを見つけて欲しかったのではないかと思えます。
    スマートな書き方では周りのコードに埋もれてしまう。
    だからあえて、目立たせるために不自然なコードを書いた。
    本当は、ことが起こる前に犀川のような人に見つけてもらいたかったのかも知れない、今ならそう思います。

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